日本だと出願公開された出願に対して第三者が刊行物等を提出して情報提供をすることが可能です(特許法施行規則第13条の2、参考:特許庁)。
アメリカでも同様の制度(Third Party Preissuance Submission)があります(35 USC § 122)。以下、簡単なまとめです。
提出できる者
出願人及び情報開示義務を負っている者でなければ誰でも提出可能。実質的に匿名での提出も可能。
提出できる文献
特許公報、特許出願公開公報、他の刊行物を提出できる。日本のようにクレームにおける記載不備などを指摘することができない。
提出可能な時期
以下の(1)と(2)のうちいずれか早い方までに提出することが可能。
(1) 許可通知が発送された日
(2) 出願が最初に公開された日の後6ヶ月又はいずれかのクレームに対する審査官による最初の拒絶の日のいずれか遅い方
上記(1)と(2)の日と同日に提出された場合は不適式な情報提供とされるので注意が必要。
その他の条件
以下のような条件が定められています。
- 提出するそれぞれの文献について出願に係る発明との関連性について簡単な説明(Concise Description of Relevance)を行う必要あり。
この簡単な説明では、文献について記載されている事実についてのみ言及することが求められており、例えば進歩性がない理由など、クレームが特許性を具備していないという主張は認められていない。例えば、クレームの限定は設計事項であるなどの主張が認められない。 - 非英語文献の場合は英訳が必要。ただし、機械翻訳も可能。
- 提出者は、自分が情報開示義務を負う者ではないこと、情報提供が法律の規定に適合したであることを陳述する必要あり。
- 提出に当たっては所定の手数料(10文献ごとに180米ドル)が必要。提出する文献が3つ以下であり、提出者が最初のかつ1つだけの情報提供をする場合には手数料は免除される。
- 刊行物の発行日が不明な場合には、当該刊行物が発行されたことの証拠(例えば宣誓供述書や宣誓書)を提示する必要あり。
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